ジムニーと言えば…何でしょうか?山を走る、ドレスアップしたい、面白い…。様々思うことはあるかと思いますが、この車種を選んで購入する人はきっと車としての需要を求めるプラス日常に楽しさを求める人なんだろうと思っていますし、販売から50年の歴史のあるジムニーはリピーターが多いことも有名な話です。乗り心地から考えれば良くはないはずなのにそれ以上に説明しきれない魅力があるんだと思います。
と、話を戻しますが、このジムニーの一つの特徴である「車高が高い車」の部分をもっと高くする方法”リフトアップ”という改造をご存知でしょうか?おそらくこの車を所有している人はほとんどの方がその言葉を知っていると思います。今回は私のジムニーのJA11というモデルで簡単なリフトアップをしていこうと思います。
リフトアップによるメリット・デメリット
単にリフトアップというのはどんな効果があるの?というところについてですが、一番は完全に”見栄え”であります。車が一回り大きく見える、ワイルドに見える。見た目の良さが際立つデメリットさえ遮るくらいのメリットになります。それ以外はダートや岩がゴツゴツした道を走るような場面で純正の車高では走れなかったところが走れるようになる事です。道なき道を走る時に岩を乗り越えるとか斜面を登るとか、アプローチアングルが確保できる事による悪路走行の走破性が上がりますが、これの恩恵は一部の競技者であって、正直ほとんどの人はそんなところで運転しないと思います。
かえってリフトアップした事によるデメリットの方が大きいです。乗り心地は悪くなります。縦が高くなることで走行中の横揺れやロールしやすくなる原因にもなります。足回りをいじる事による最悪、アライメントバランスのズレと言ってサスペンションとハンドルとタイヤの角度関係が崩れてしまい運転に対して支障をきたす可能性にもつながる改造になります。
と言ってもジムニーと言ったらリフトアップ。せっかくならやってみたいと思い安全に配慮してかつ簡単にJA11をリフトアップしていこうと思います。
ジムニーJA11までがリーフスプリングだから簡単に車高を上げられる
私はこの車を所有してから10年以上経ちますが、今回リフトアップするにあたって「この車でよかったぁ〜」と心底思ったことがあります。それが”リーフスプリング”というサスペンションの機構です。
ジムニーはこれ以降のJA12というモデルから今に至るまでコイルスプリングという機構を採用しています。そして何が良かったぁって思えたのかというとリフトアップするために必要な部品と労力において桁違いにJA11は少なく簡単であるからであります。
その必要な部品は何かというとシャックルという部品のみになります。
このシャックルという部品はリーフスプリング車には必ずついています。役割としてはリーフ(板バネ)の動きを補助する部品になります。この部品を長いものに交換するだけでリフトアップができる方法を今回はやっていきたいと思います。
シャックルだけでリフトアップする方法
ジムニー ja11 シャックル パーツ 強度計算書付き!段付きピン仕様ジムニー用ブーメランロングシャックル 適用車種:SJ10SJ30SJ40JA71 JA51JA11JB31 価格:9,801円 |
ジムニー カーボンブッシュ レッド JA11 JA71 JA51 JB31 硬度65 硬度75 強化 修理 カーボン ブッシュ リーフ サスペンション 1台分 セット フロント 価格:5,680円 |
注文した部品はシャックルとボルトのブッシュです。車自体30年近い車体ですのでブッシュもやれてしまっているだろうと思い一緒に購入しました。ちなみに足回りをフルで交換すると…
これだけでは終わらずに一般家庭では持っていないリフト(整備工場にある車を持ち上げる機械)がないと交換作業ができないので必然的に工賃が掛かってきます。それプラスホース類も延長しないと行けなくなってくるので込み込みで25〜30万ほどかかると思います。
競技車両であれば必要だとは思いますが、”車高を上げたい”この目的だけであれば必要ないと思います。
ということで今回はネットで購入したシャックルとブッシュ、車に入っているジャッキと工具はハンマーとスパナだけで車高を上げていきます。
最初にナットに潤滑油を吹いておく
サビサビのナット・ボルト…あるあるですが外れないがために力を入れたら折れたなんてことがないように556を吹いて外しやすくしていきました。と言っても場所によっては足で押さないと緩められない箇所もありました。
シャックルの間にバールや木材を挟みながら外す
ナットが外れたらシャックルの隙間に嵌め込むことができるバールか隙間と同じ厚みの木材なんかを噛ませてシャックルを抜いていきます。シャックルが抜けたら右写真のようにフレームとリーフの間にジャッキを当てて隙間を広げていきます。
※この際ジャッキが外れることのないようにジャッキの中心にフレームとリーフが設置しているか確認しながら作業します。外れると指を挟む危険もありますが衝撃でアライメントが変わってしまう可能性もありますので外れないことを確認しながら隙間を広げていきます。
設置面にたっぷりとグリスを塗る
「ついにリフトアップできる日が来たか…」
「自分でやるのが不安だったなぁ」
「これ入れると5㎝上がるのか…」
色々考えていると重要なことを忘れそうです。そうそう、グリスははみ出るくらいたくさん塗っておきます。ブッシュとシャックルの設置面全体、相手側になるリーフとボディーのブッシュを入れる部分にもたくさん塗ります。そうしたらジャッキでリーフとボディーの隙間を調整してシャックルがはまるところまで上げていきます。ブッシュは新品を使っているので割と簡単にはめることが出来ましたが、おそらく使い回してしまうと変形でうまく入らないのでこのタイミングで新品を使っておいて大正解でした。
ボルトを仮締めして、本締めして組み付け終了です。本当簡単です。
手こずった右リアのシャックル交換
順調にフロント2箇所を終えてリアの2箇所を交換した時に落とし穴がありました。それがガソリンタンクが邪魔でジャッキが入らない問題でした。極狭です。でもここしか入れられる場所がないので工夫です。
しっかりとリーフとボディーにジャッキが掛けられないのでジャッキを上げていく最中に滑って外れてしまいます。同じことを2回もやってしまいました。
「どうしよう…」と動揺しており焦って写真には収められなかったのですが当て木をシャックルの間にして、少しずつジャッキで上げるたびに当て木を増して隙間を広げていく方法を取ったら何とか安全に作業を行うことが出来ました。
メーカーは5㎝上がるとのことでしたが結果は4㎝のリフトアップ。乗っている人にしかわからない微妙な変化かもしれませんが、確かに見た目が良くなったと感じています。車高が上がった事によるタイヤのインチアップも必要かなとも考えていましたがそれほどタイヤもチープに見えないので4㎝のリフトアップに満足でした。
・交換費用:15000円
・作業時間:2時間
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